News

絵本「星になったしんじゅちゃん」

絵本ができました。

 

文章の作者は高嶋恒子さんという、今年94歳のおばあさんです。

この絵本は、書店には置いてありません。販売もしていません。

でも、その成り立ちに、いろんな人の思いが詰まっています。

sinjyuchan_1.jpg

 

3年ほど前、介護福祉士をしている幼馴染に、話を持ちかけられました。

「ウチの老人ホームの90過ぎのおばあさんが、
童話を作って自分で出版社に売り込みをしていたの。

本人だけの力では難しいので、出版への手助けをしてあげたい。

絵本にするための絵を描いてくれないかな。」

と。

おばあさんは緑内障で、殆ど視力がありません。

そんな中、童話を書いて、出版社を調べ、自ら電話して売り込んでいたのです。

出版社に見せる時に、手書きの原稿では見難いから、

原稿を打ち出して欲しいと頼まれたところで職員達も気がついたそうです。



そこから、このプロジェクトは始まり、

出版という形にこだわるよりも、まずは自分の物語が「絵本」という形になった姿を

高嶋さんにプレゼントしようということで、自費印刷での絵本製作が本格的に動き始めました。

sinjyuchan_2.jpg

 

制作にお力を貸してくださった、コピーライターの梅田悟司さんや、

同老人ホーム利用者ご家族で、このプロジェクトに賛同してくださった大崎進さん、

全ての制作進行、調整に頭を悩ませた企画者でもある幼馴染、

他、沢山の職員やご家族の皆様の協力で出来上がっていきました。

 

 

一番の問題だったのは私の絵で、
仕事の合間を縫っての作業は思うように進まず
3年もの月日がかかってしまいました...。

 

それでも何とか、高嶋さんの94歳のお誕生日を目標に作業を進めて、
ついに46ページのボリュームある上製本が完成しました。

 

 


そして、お誕生日当日の8月9日。

やっと完成した絵本をお渡しすることが出来ました。

 

sinjyuchan_3.jpg

 

「生きていて良かった...」

絵本を見て、涙を浮かべて喜んでくださった高嶋さんを見て、

確実に私達の方が温かいものを貰ったような気がしました。

 

 

 

90歳を超えて意欲を失わず、夢を持って前進する姿勢。



また、その行為をきちんと救い上げ協力を惜しまない職員や周囲の皆さんの対応は

とても温かく、感動的でした。




この素敵なプロジェクトに関わらせていただいて、
私自身いろんな意味での成長につながり、本当に感謝しています。

 

高嶋さん、けやき園の皆さん、ありがとうございました!


  

2011/08/19


Copyright (c) Mio Saito. All Rights Reserved.